昨日まで安定して届いていた投稿が、今日から急に見られなくなる。SNSで集客してきた事業者なら、一度はこの感覚を味わったことがあるのではないでしょうか。フォロワー数は変わっていないのに、表示回数だけが目に見えて落ちる。理由を探っても、明確な答えは返ってきません。アルゴリズムは常に変わり続けていて、その変更の中身を、私たち利用者が知ることはできないからです。
積み上げてきたものが、実は「借り物」だったと気づく瞬間
SNSでの発信を続けていると、フォロワー数や過去の投稿という「資産」が積み上がっていく感覚があります。ところが、その資産は正確には自分のものではありません。プラットフォームのルールの上に成り立っている、いわば借り物です。アカウントが凍結される、仕様が変わる、そのプラットフォーム自体の人気が落ちる。どの理由であっても、積み上げてきたものに、ある日突然アクセスできなくなる可能性は常にあります。
これは、SNSを否定する話ではありません。SNSには、自社サイトにはない拡散力や、リアルタイムのやり取りのしやすさがあります。問題は、集客のすべてをSNS任せにしてしまうと、プラットフォーム側の都合に事業の浮き沈みが左右されてしまう、という一点に尽きます。
自社サイトが「資産」である理由
自社サイトは、プラットフォームのアルゴリズムに左右されません。検索エンジンからの評価はもちろん変動しますが、SNSのタイムラインのように、一夜にして仕組みが変わって表示されなくなる、ということは起きにくい構造になっています。積み重ねたページや記事は、基本的に自分の管理下に残り続けます。
もう一つ大事なのは、自社サイトには「今すぐ客ではない人」を待たせておく場所としての役割があることです。SNSのタイムラインは流れていきますが、サイトのページはそこに居続けます。検討に時間がかかる商材ほど、この「いつ訪れても、同じ情報がそこにある」という安定感が効いてきます。
とはいえ、放置されたサイトには意味がない
ここで正直にお伝えしておきたいのは、自社サイトであれば何でも資産になるわけではない、ということです。何年も更新されていない、問い合わせフォームが壊れたままになっている、スマートフォンで見ると崩れている。そんなサイトは、資産どころか、訪れた人の信頼を落とす原因にすらなります。
自社サイトを資産にするということは、公開して終わりにしないということでもあります。定期的に情報を見直し、問い合わせの導線を整え、訪れた人が実際にどこで迷っているかを把握し続ける。この地道な手入れがあって初めて、自社サイトはSNSに依存しない安定した入口になります。
実例:フォロワー1万人でも、指名検索は伸びなかった
ある小規模な教室が、SNSのフォロワーを1万人まで伸ばしたことがあります。投稿は毎回それなりの反応があり、担当者も手応えを感じていました。ところが、実際の体験申し込みの数は、フォロワー数ほど伸びていませんでした。
理由を調べてみると、フォロワーの多くは「いいね」はするものの、教室の名前を検索したり、サイトを訪れたりする行動までは移していませんでした。SNS上の関係は保たれていても、それが自社の情報にアクセスする習慣にはつながっていなかったのです。サイトを作り直し、SNSの投稿から詳しい情報への導線を明確にしたところ、ようやく申し込みの数がフォロワー数に見合う形で増え始めました。フォロワーがいることと、資産として機能する接点があることは、別の話だったということです。
今日からできる、小さな見直し
大掛かりなリニューアルをしなくても、始められることはあります。まずは自社サイトのトップページと、SNSのプロフィール欄が、実際にリンクでつながっているかを確認してみてください。驚くほど多くのアカウントで、プロフィール欄のリンクが古いままだったり、そもそも設定されていなかったりします。
次に、SNSの投稿の中で反応が良かったものを数本振り返り、その内容についてサイト側にもう少し詳しい説明があるかを見てみてください。SNSで気になった人が、次にどこに向かえばいいかが用意されているかどうか。この小さな導線の有無だけで、資産としての機能はかなり変わってきます。
SNSと自社サイトを、対立させずに組み合わせる
理想的なのは、SNSと自社サイトを競わせるのではなく、役割を分けて組み合わせることです。SNSは新しい出会いを作る場所、自社サイトはそこで気になった人が詳しく知り、実際に相談する場所。この役割分担ができていれば、SNSのアルゴリズムがどう変わっても、自社サイトという着地点は揺らぎません。
Chariootが担っているのは、この「自社サイトに来た人が、実際に相談へ踏み出す」部分です。SNSで興味を持った人がサイトを訪れたとき、フォームの前で迷わせずに、軽い会話から相談を受け止める。そして、その会話の記録を、サイトをさらに育てるための材料として残す。SNSに依存しない資産づくりは、こうした小さな積み重ねから始まります。